掲載料の請求書を見るたびに「これ、意味あるのか」と思う。でも更新の連絡が来ると、担当者に引き止められて、結局そのまま続けている。
この記事は、やめる・続けるを人に聞かずに自分で決めるためのものです。
先に2つ書いておきます。やめるのは掲載ではなく、有料プランです。 そして、解約して最初に止まるのは集客ではありません。予約の受け方です。
必要なのは管理画面と電卓だけで、30分あれば終わります。
やめると店ごと消えるポータルと、無料掲載が残るポータルがある
ここを分けないまま解約すると、想定と違う結果になります。
食べログのように、店が何もしなくても店名と住所が載っている状態を持つサイトがあります。有料プランを解約しても、この状態に戻るだけで、サイトから店が消えるわけではありません。写真が減り、ネット予約のボタンが消え、検索での並び順が下がる。そういう変化の仕方をします。
一方で、有料の契約そのものが掲載の条件になっているサービスもあります。 この場合、やめると店のページが無くなります。今まで送っていたお客さんが、URLを開いても何も出てこない状態になります。
同じ「やめる」でも、起きることが違います。
自分の契約がどちらかを、管理画面で確かめる
調べ方は2つです。
- 自分の店のページを、ログアウトした状態のスマートフォンで開く。管理画面から見ると有料の表示のまま見えるので、必ず別の経路で開く
- 管理画面の「契約内容」「プラン」に書かれているプラン名を控えて、そのサービスの掲載案内ページで、無料の枠があるかを確認する
分からなければ、担当者に「解約したら、うちのページはどうなりますか」と聞いてください。この聞き方なら、解約の相談ではなく確認なので、引き止められにくい。
料金と契約期間が公開されていないサービスがある
ホットペッパービューティーの掲載案内ページには、金額が書かれていません。「ご希望のエリアやプランによって異なります。詳しくはお問い合わせください」とあり、申し込みは問い合わせ、打ち合わせ、掲載開始という流れになっています。
つまり、他店がいくら払っているかを調べても意味がありません。 相場の記事も同じです。自分の契約書に書いてある金額と期間だけが、判断に使える数字になります。
契約書が見つからないなら、それを探すところから始めてください。更新月がいつか、解約の申し出は何か月前までかを知らないまま、やめる判断はできません。
解約すると、集客より先に予約の受け方が止まる
これを言う人がほとんどいないので、先に書きます。
ポータルの有料プランには、たいてい予約の管理画面が付いています。予約が入ると一覧に並び、当日の来店予定がそこで見られる。この画面を台帳として使っている店が、かなりあります。
解約すると、集客が減るより先に、この画面が使えなくなります。明日の予約を確認する場所が無くなる。
予約台帳がポータル側にある場合
やめると決める前に、予約をどこで受けて、どこに書くかを先に決めてください。
紙のノートに戻すなら、それでも構いません。ただし、営業中に電話が鳴りながらネット予約が入る時間帯があるなら、そこで取りこぼしが増えます。受け方の選び方は予約を電話・LINE・予約サイトのどれで受けるかにまとめました。
受け皿を決めずに更新月だけを理由に解約した店を見たことがあります。電話予約に戻したところ、営業中に出られない時間の予約が取れなくなり、結局3か月後に別の予約サービスを契約しました。掲載料は減りましたが、その分は移りました。
過去の予約履歴は持ち出せるか
もう1つ確かめることがあります。これまでの予約履歴と顧客名簿を、解約後も見られるか。
多くのサービスでは、解約すると管理画面に入れなくなります。常連さんの来店頻度や前回のメニューをその画面で管理していた場合、それごと見られなくなります。
解約を決めたら、申し出をする前に書き出してください。 名前、連絡先、最後の来店日。これだけでも手元に残れば、後から連絡が取れます。書き出す手段が無ければ、画面をスクリーンショットで残すだけでも違います。
やめる前に数える3つの数字
競合の解説記事は「費用対効果を見て判断しましょう」で終わります。ここでは、実際に数える手順を書きます。直近3か月分を使ってください。1か月では季節の波を拾ってしまいます。
①ポータル経由の予約が、1件いくらについているか
管理画面で、3か月分のネット予約の件数を数えます。掲載料の3か月分を、その件数で割る。
| 3か月の掲載料 | ネット予約の件数 | 1件あたり |
|---|---|---|
| 90,000円 | 45件 | 2,000円 |
| 90,000円 | 12件 | 7,500円 |
ここで出た金額を、1人のお客さんが1回で使う平均の金額と並べてください。 客単価3,000円の店で1件7,500円なら、初回では赤字です。リピートして3回来てもらって、やっと釣り合う。
そこまで並べて、はじめて高いか安いかが言えます。
②その予約のうち、やめたら消えるのは何件か
ここを飛ばす人が多い。ネット予約の件数は、ポータルの貢献の全部ではありませんし、全部が消えるわけでもありません。
2つの方向にずれます。
ポータルで店を見つけて、電話番号を見て直接かけてきたお客さんは、管理画面の数字に入っていません。これは数えられていない貢献です。逆に、もともと店を知っていて、予約が楽だからポータルを使っているお客さんもいます。この人たちは、やめても別の方法で予約します。消えない件数です。
正確には分けられません。ただ、近づける方法はあります。今日から1か月、予約を受けるときに「どこで知りましたか」ではなく「予約は何を見て取られましたか」と聞いて、ノートに1行書く。 前者は答えにくいのですが、後者は事実なので即答が返ってきます。
面倒です。忙しい時間に聞き忘れる日もあります。それでも1か月続けると、管理画面の数字とノートの数字がどれくらいずれているかが見えます。このずれの幅が、やめたときに動く範囲です。
③自前の入り口から今、何件来ているか
やめたあとの受け皿が、今どれだけ動いているかです。
Googleビジネスプロフィールの管理画面に、電話のタップ数、ルート検索の数、ウェブサイトのクリック数が出ています。直近3か月分を控えてください。ここがほぼゼロなら、受け皿はまだ無いということです。
自分の店がそもそも地図に出ているかどうかから確かめる場合は、Googleマップに自分の店が出てこないときに確認することの手順を先にやってください。
数えた結果をどう読むか
3つの数字が出たら、判断は次のように分かれます。
| ①1件あたりの金額 | ③自前の入り口の反応 | 判断 |
|---|---|---|
| 客単価より安い | どちらでも | 続けてよい。急いでやめる理由がない |
| 客単価より高い | 反応がある | 減らす。プランを1段階下げる |
| 客単価より高い | ほぼゼロ | すぐにやめない。 受け皿を作ってから |
| 客単価と同じくらい | ほぼゼロ | 続けながら受け皿を作る |
当社の立場を書きます。いきなり全部をやめないでください。 3か月、自前の入り口を動かしてから減らす。
その3か月にやることは多くありません。Googleビジネスプロフィールの写真を増やし、口コミに返信し、営業時間を正しくする。この運用にかかる時間は、実測で月2時間前後です。 掲載料の代わりに払うのは、お金ではなく、この2時間だと考えてください。
置き換え先を業者に頼む場合の相場はMEO対策の費用相場と、月額料金に入っている作業時間に書きました。
やめる時期を間違えない
数字が出て、やめると決めたとします。その日に電話してはいけません。
更新月の直前に申し出ると、1期分まるごと払うことになります。 解約の申し出は何か月前までか、契約書に書いてあります。自動更新の条項がある場合、期限を1日過ぎただけで次の期間が確定します。
もう1つ。繁忙期に切り替えないでください。 飲食店の12月、美容室の3月と4月、整体の年末。切り替え直後は、予約の受け方も客の流れも慣れていません。いちばん忙しい月に不慣れな運用を持ち込むと、店が回らなくなります。
現実的な順番はこうなります。
- 契約書を出して、更新月と申し出の期限を控える
- その期限の3か月前から、自前の入り口を動かし始める
- 期限が来たら、数えた3つの数字を見て決める
- 繁忙期と重なるなら、1期だけ見送って次の更新に回す
4番で見送るのは負けではありません。受け皿が動いていない状態でやめると、たいてい戻ります。
この数え方で分からないこと
正直に書きます。
やめた後に売上がどうなるかは、数えても分かりません。 分かるのは、今どれだけポータルに依存しているかという現状だけです。やめた先は、やってみるまで分かりません。
そうは言っても、掲載をやめた瞬間に客が半分になったらどうするのか。そう思われるかもしれません。そこへの答えは、やめるのを1回にしないことです。プランを1段階下げて3か月様子を見れば、全部やめる前に反応の大きさが分かります。下げて何も変わらなければ、その差額はもともと効いていなかったということです。
もう1つ。この記事は解約を勧めるものではありません。 数えた結果、続けた方がいいと出る店の方が多いはずです。特に、自前の入り口が動いていない店では、今やめる理由がありません。
当社はポータルの解約代行をしていません。数える手順と、やめたあとの受け皿の作り方までをお渡しして、判断は店に残しています。理由は単純で、続けるか減らすかは、掲載料の金額ではなく店の事情で決まるからです。 そこは外から決められません。
まとめ
管理画面を開いて、直近3か月のネット予約の件数だけ数えてください。10分で出ます。
掲載料の3か月分をその件数で割って、客単価と並べる。その1行が、更新月に迷わないための材料になります。解約の判断は、受け皿を作ってからで間に合います。
出典
- リクルート「ホットペッパービューティー 掲載のご案内」(掲載料金は「お問い合わせ」と記載)
