電話と予約サイトとInstagramのダイレクトメッセージ、3つから予約が来る。月に1回はダブルブッキングが起きる。

この記事は、受ける経路を決めるためのものです。予約システムの解説記事は、Airレジ、Square、ChoiceRESERVE といったベンダー自身が書いているので、導入する前提で話が進みます。ここでは買わない場合も含めて書きます。

結論を先に。経路を増やしても予約は増えません。事故が増えます。

経路を増やすと、予約は増えずに事故が増える

台帳が分かれると、必ずぶつかる

予約サイトの予約はサイトの管理画面に入ります。電話の予約は手書きのノートに書きます。LINEの予約はトーク画面に残ります。Instagramのメッセージは、また別の場所です。

予約を書き込む場所が4つある。これでぶつからない方がおかしい。

多くの店は、これを「最終的に紙の台帳へ転記する」という運用で吸収しています。転記が追いつかない瞬間に事故が起きます。土曜の午前中に電話が鳴りながらネット予約が入った瞬間が、いちばん危ない。

対策は、システムを増やすことではありません。転記する場所を1か所に決めて、経路を減らすことです。

まず、今どこから来ているかを数える

感覚で決めないでください。先月1か月分を数えます。

経路先月の件数
電話
予約サイト
LINE
Instagramのメッセージ
ホームページのフォーム

数えると、ほとんどの店で1つか2つの経路に偏っています。件数がゼロか数件の経路があれば、それは閉じていい。

閉じるとは、案内をやめるという意味です。Instagramのプロフィールから「DMで予約受付中」を消す。ホームページのフォームを外す。入口を残したまま見ないのが、いちばん悪い。

経路を閉じたら、その分の予約を失うのではないか。そう思われるかもしれません。ただ、月に1〜2件しか来ていない経路なら、そのお客さんは別の経路で予約します。失うのは経路であって、お客さんではありません。

電話はやめられない

予約システムの記事は「電話対応の手間が減る」と書きます。減ることは減りますが、ゼロにはなりません。

理由は年齢層です。滋賀県内の店で、60代以上のお客さんが一定数いる業種では、電話が主経路であり続けます。整体院、工務店、和菓子店、理容室。予約サイトに寄せようとすると、その層の予約がそのまま消えます。

もう1つ。当日の予約と変更は電話に来ます。「今から行けますか」「30分遅れます」。これは経路の問題ではなく、急ぐ用事だからです。

だから現実的な形は、電話+もう1つになります。電話を残したうえで、営業中に出られない時間帯を補う経路を1つ足す。この形が、個人店ではいちばん壊れにくい。

補う経路としてLINEを使う場合、LINEの1対1のやりとりはメッセージの通数を消費しません。何往復しても0通です。詳しくはLINE公式アカウントは無料でどこまで使えるかに書きました。

買う前に、無料で試せるもの

予約システムを検討する前に、費用をかけずに試せる段階があります。

Googleビジネスプロフィールには、予約のリンクを設定する項目があります。ここにリンクを入れておくと、Googleマップや検索結果に予約のボタンが出ます。

飛ばし先は、すでに使っている予約サイトのページでも、ホームページの予約ページでも、LINEの友だち追加でも構いません。新しく何かを契約する必要はありません。

これを1〜2か月やってみて、パフォーマンス画面で「予約」や「ウェブサイトのクリック」の数字を見る。そこに反応があるなら、予約システムを入れる価値があります。反応がゼロなら、入れても同じです。

なお、Googleビジネスプロフィールには「ウェブサイト」の欄と「予約」の欄が別にあります。SNSのURLも専用の欄(ソーシャルプロフィール)があるので、ウェブサイト欄にInstagramのURLを入れない方がいい。それぞれの欄に入れてください。

予約フォームを置くなら、誰がいつ見るか

ホームページに予約フォームを置く場合、決めておくべきことが1つあります。誰が、いつ確認するか。

フォームの送信はメールで届きます。そのメールを見るのが店主1人で、しかも営業中は見られないなら、返信は閉店後になります。

お客さんの側から見ると、送信してから数時間、返事が来るかどうか分からない状態で待つことになります。その間に、返事の早い店に予約を入れます。

だから、フォームを置くなら次のどれかが必要です。

  1. 確認する時間を決める。「11時と16時に見る」と決めて、フォームの画面にも「当日中にご返信します」と書く
  2. 自動返信を設定する。送信直後に「受け付けました。◯時間以内にご連絡します」が届くようにする
  3. フォームをやめて、電話とLINEに寄せる

正直に言うと、個人店では3番が現実的なことが多い。返信できない仕組みを置くくらいなら、置かない方がいい。

なお、フォームの項目は名前・連絡先・用件の3つで足ります。項目が多いほど途中で閉じられます。この話はホームページから問い合わせが来ない。直す前に確認する順番に書きました。

予約システムを買った方がいい条件

ここは当社にとって都合の悪い話を含みます。多くの店は、予約システムを買わなくていい。

買う価値があるのは、次のどれかに当てはまる場合です。

  • スタッフが3人以上いて、指名や担当が分かれている。台帳を共有する必要がある
  • 1日の予約が10件を超える。手書きでは追いつきません
  • 予約の変更・キャンセルが多い業種。電話での調整に時間を取られている
  • 営業時間外の予約が明らかに多い。夜間にネットから入っている実感がある

当てはまらないなら、電話とLINEで足ります。月額を払って機能を増やしても、使うのは予約の受付だけになります。

当社では、予約やフォームの連携を都度見積のオプションにしています。月額のメニューに含めていません。理由は2つです。

1つは、毎月手が動くから。予約の設定は、作って終わりではなく、メニュー変更や休業のたびに触ります。含めると時給が崩れます。

もう1つは、トラブル対応の量が読めないから。予約が入らない、通知が届かない、という連絡は急ぎで来ます。この対応を月額に含めると、含めた金額の中では収まりません。

見積書に「予約システム込み」と書かれていたら、設定だけなのか、その後の変更対応まで入っているのかを確認してください。

まとめ

先月の予約が、どの経路から何件来たかを数えてください。紙のノートと予約サイトの管理画面を見れば、30分で出ます。

数えると、閉じていい経路が見つかります。まずそれを閉じる。システムを検討するのは、そのあとです。

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