フィード投稿は続けている。同業がリールを出し始めた。制作代行の営業も来る。やるべきなのか。

リールの解説記事は、ガイアックス、コムニコ、OPT-IN のように、制作や運用を売っている会社が書いています。だから「やらない」という選択肢が出てきません。

この記事は、やらない場合も含めて判断するためのものです。先に立場を明かすと、当社はInstagram運用を月額50,000円(税別)で受けていますが、リールは含めていません。その理由も書きます。

先に、やらなくていい店の条件

次のどれかに当てはまるなら、リールは後回しでいい。

1. フィード投稿が続いていない

月8本のフィードが出せていない店が、リールを足しても続きません。止まったアカウントは、無いより悪い印象を与えます。まずフィードを安定させてください。続かない理由は店のInstagramが止まる理由は、ネタではなく撮る時間に書きました。

2. 商圏が狭い

リールの強みは、フォロワー以外にも届くことです。ただし届く相手を地域で絞り込めません。

半径2kmのお客さんしか来ない店の場合、東京の人に1万回見られても来店にはつながりません。再生数は伸びて、予約は増えない、という状態になります。

3. 見て決める商品ではない

美容室のカット、ネイル、飲食店の料理は、動きや仕上がりが伝わると効きます。一方、工務店の施工、整体の施術、士業の相談は、動画で見せても判断材料になりにくい。写真と文章の方が向いています。

4. 撮る人が店主しかいない

営業しながら動画を撮って編集するのは、写真とは別の負担です。後述しますが、時間が違います。

リールは何をしてくれるのか

届く相手が変わる

フィード投稿は、基本的にフォロワーに届きます。リールは、フォロワー以外の画面にも出ます。

だから「リーチが伸びる」と言われます。これは事実です。新しい人に見つけてもらう入口としては、フィードより広い。

ただし、届くことと来ることは別

ここが分かれ目です。

再生数が伸びても、来店が増えるとは限りません。見ているのが、店に来られない場所の人だからです。

リールを始めるなら、再生数ではなく、プロフィールへのアクセス数と、プロフィールのリンクが押された数を見てください。そこが動いていなければ、再生数が何万回でも意味がありません。

プロフィールの作り方は店のInstagramのプロフィールとハイライトを、来店の導線として作るに書きました。リールで来た人が最初に見るのがプロフィールなので、そこが整っていないとリールを始める意味がありません。

1本にどれくらいかかるか

リールの記事で、この話が出てくることはまずありません。当社の実数で書きます。

フィード投稿との比較

当社のInstagram運用は、月8時間でフィード8本とストーリーズ4本を作っています。撮影は含みません。素材は店舗様からいただく前提です。

内訳はこうなります。

作業1本あたり
フィード投稿(写真1枚+文章)25〜35分(企画・文章・加工・予約投稿まで)
ストーリーズ10分程度

リールは、ここに撮影と編集が加わります。短い動画でも、素材を撮る時間、切って並べる時間、テキストを載せる時間、音源を選ぶ時間がかかる。フィード1本の2倍から3倍が目安です。

これは当社の作業での話です。慣れていない方が自分で作ると、最初の数本はもっとかかります。

月8時間に入れると、何が削られるか

計算すると分かります。月8時間=480分。今の内訳は、フィード8本で約240分、ストーリーズ4本で40分、コメントとダイレクトメッセージの対応と月次レポートで残り。

ここにリールを月2本入れると、150分前後が必要になります。その分、フィードを3〜4本減らすことになる。

つまり、リールをやるかどうかは「足すか」ではなく「何と入れ替えるか」の問題です。時間は増えません。

当社がリールを月額に含めず、都度見積にしているのはこのためです。含めた瞬間に、他のものが削られるか、時給が半分になります。どちらも長く続きません。

費用の考え方はInstagram運用代行の費用と、見積書を投稿1本の単価に割り戻す方法に書きました。

それでもやるなら、いちばん軽い形

やると決めた場合、続く形から始めてください。

月1〜2本で足ります。週に何本も出す必要はありません。続かない頻度で始めると、3か月で止まります。

1本の長さは短くていい。10〜15秒で構いません。長くするほど編集が増えます。

凝った編集をしない。カットを細かく割る、字幕を全部入れる、効果音を足す。これをやると1本に2時間かかります。1カットか2カットで、テキストを1〜2枚載せる程度から始めてください。

撮るのは、すでにやっている作業です。わざわざ演出しない。

  • 美容室:仕上がりを1周見せる
  • 飲食店:料理を作る手元、提供する瞬間
  • 小売店:入荷した商品を並べるところ

営業中の動線に入っているものを撮る。別枠で撮影時間を作ると続きません。この考え方は店のInstagramが止まる理由と同じです。

そして、撮った素材はGoogleビジネスプロフィールにも使えます。同じ1回の撮影を2か所に回すと、割に合う確率が上がります。

外注するときに確認すること

制作代行の営業を受けたときに聞くことです。

1. 撮影は含まれますか

含まれていない見積もりが多い。その場合、素材を用意するのは店です。動画素材を毎月用意する作業は、写真より重い。ここを見落とすと、契約したのに素材が出せず止まります。

2. 月に何本ですか

「リール制作込み」としか書かれていない見積もりは、本数を確認してください。月1本と月4本では作業量が4倍違います。

3. 素材は誰のものになりますか

撮影した動画データを、契約終了後に渡してもらえるかどうか。渡されない契約だと、作ったものが手元に残りません。アカウントや素材の権利については店のSNSアカウントを、スタッフや業者に任せるときに書きました。

4. 何を成果として報告しますか

再生数だけを報告する会社には、プロフィールへのアクセス数も出せるか聞いてください。再生数は伸ばせますが、来店とは別の数字です。

まとめ

今、Instagramに月何時間使っているかを数えてください。フィードとストーリーズと、コメントへの返信まで含めて。

そこにあと2〜3時間を足せるなら、リールを試す価値があります。足せないなら、フィードを続ける方が確実です。やらない選択は、負けではありません。

現在のInstagramプロフィールと投稿を確認し、予約・来店への導線を整理します。

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