「Googleマップで上位に出しませんか」という電話が、週に何本もかかってくる。断りたいが、本当に必要なものなのかも分からない。
先に立場を明かします。この記事を書いているのは、ホームページ制作とGoogleビジネスプロフィールの整備を売っている会社です。電話営業はしていませんが、売っているものは電話の向こうの会社と同じ種類のものです。
だから、業者を悪者にする書き方はしません。代わりに、電話口で聞く質問を4つ出します。当社が答えられる質問でもあるので、そのまま当社にも向けてください。
なぜ電話がかかってくるのか
出所を知っておくと、電話が止まらない理由が分かります。
営業リストの主な出どころは、公開されている電話番号です。Googleビジネスプロフィールに登録した電話番号、ホームページに載せた電話番号、業種別のポータルサイトに掲載した番号。
つまり、お客さんに見つけてもらうために番号を公開した結果として、営業電話が来ます。番号を隠せば電話は減りますが、お客さんからの電話も減ります。ここは諦めるしかありません。
もう1つ知っておくとよいのは、新しく登録した直後に電話が増えることです。Googleビジネスプロフィールを作った、ホームページを公開した、といったタイミングで、リストに新規で載ります。
電話を止める方法はありません。増やせるのは、断るまでの速さだけです。
電話口で聞く4つの質問
長く話す必要はありません。4つ聞いて、答えが返ってこなければ切っていい。
紙に書いて電話機のそばに貼っておくのが確実です。とっさには出てきません。
1. Googleマップの順位を保証できますか
「上位表示を保証します」と言われたら、この質問で確認してください。
Google公式のヘルプには、こう書かれています。
Google では、ランキングを上げるためのリクエストや金銭の受け取りには一切応じておりません(ローカル検索結果の掲載順位を改善する方法)
順位を決めているのは関連性・距離・知名度の3つで、そのうち距離は動かせません。店の場所が変わらない以上、誰がやっても届かない検索語があります。
保証できると言い切る相手には、「保証できなかった場合は返金されますか」と続けてください。契約書に返金条項があるかどうかで、話の本気度が分かります。
2. オーナー権限は誰の名義になりますか
Googleビジネスプロフィールの権限には、オーナーと管理者があります。オーナーは、他の人を追加も削除もでき、プロフィールごと消すこともできる立場です。
業者がオーナーになると、契約を切ったあとに店の情報を自分で触れなくなります。返してもらう交渉が必要になり、連絡が取れなくなればそこで止まります。
だから、こう聞いてください。
「オーナーはうちの名義にして、そちらは管理者で入っていただけますか」
これを断る会社には、理由を聞いてください。作業上、管理者権限があれば大半のことはできます。
オーナー確認の取り方はGoogleビジネスプロフィールのオーナー確認が通らないときに書きました。
3. 最低契約期間と、途中でやめたときの扱いは
月額の金額だけを聞いて判断しないでください。12か月や24か月の縛りが付いていることがあります。
聞くのはこの3つです。
- 最低契約期間は何か月か
- 途中で解約した場合、残りの月数の支払いはどうなるか
- 自動更新か。更新しない場合、いつまでに言えばいいか
自動更新の解約予告が「3か月前まで」になっていることがあります。気づいたときには次の1年が始まっている、という形です。
4. 解約したら、ドメインとデータはどうなりますか
ホームページの場合はこちらです。
ドメイン(○○.com のような住所)が業者名義で取られていると、解約したときに持ち出せません。同じ住所で作り直せず、これまで貼った看板やチラシのURLが全部死にます。
原稿、写真、ページのデータについても同じです。「解約時に一式お渡しいただけますか」と聞いてください。
契約書のどこを見るかはホームページを解約したら、ドメインは誰のものになるかに詳しく書きました。契約後の話も、そちらにまとめてあります。
金額から分かること
ここは、自社にとって都合の悪い話も含みます。
Googleビジネスプロフィールの運用を月1万円以下で受ける会社について、業界では「自動化された作業しかしていない可能性がある」という見方があります。人が毎月手を動かすと、その金額では成り立たないからです。
当社のGoogleビジネスプロフィールの月額は3,000円(税別)です。この見方からすると、疑われる側にいます。
だから、当社は月額3,000円で何をするかを全部公開しています。営業時間と臨時休業の反映、誤情報や第三者による変更提案の監視、月次の表示状況レポート。月あたり0.5時間です。投稿代行と口コミ返信の下書きは含めず、それぞれ月5,000円のオプションにしています。
金額の高い安いではなく、その金額で誰が何分動くのかを聞いてください。答えられない会社は、自分でも把握していません。
相場と作業時間の関係はMEO対策の費用相場と、月額料金に入っている作業時間に書きました。
クーリングオフが使えるとは限らない
契約してしまった場合の話です。ここは慎重に書きます。
特定商取引法には適用除外の規定があり、営業のために、または営業として締結する契約には、訪問販売や電話勧誘販売のルール(クーリングオフを含む)が原則として適用されません。店の経営のために契約したホームページやGoogleマップの運用は、通常ここに入ります。
ただし、相手が事業者だから一律に除外される、という建て付けではありません。消費者庁の解説では、契約の目的・内容が営業のためのものである場合に適用されない趣旨であって、契約の相手方が事業者や法人であることをもって一律に除外するものではない、とされています。実際の利用目的が主として個人用・家庭用だった場合には、対象になりうる例も挙げられています。
つまり、個別の事情で結論が変わります。この記事は法的な助言ではありません。自分の契約がどちらに当たるかは、次に挙げる窓口で相談してください。
相談できる窓口
「専門の弁護士に相談を」で終わらせないために、名前を挙げます。
取引かけこみ寺
中小企業庁の委託事業で、全国に窓口があります。2026年1月1日から「取引かけこみ寺」に名称が変わりました(旧・下請かけこみ寺)。
公式サイトには「業種を問わず、中小企業の皆さまからの『取引に関する相談』であれば、相談に応じます」とあり、下請取引に限られません。相談は無料で、必要に応じて近くの弁護士への無料相談につないでもらえます。
滋賀県よろず支援拠点
滋賀県内の事業者なら、まずここでも構いません。公益財団法人滋賀県産業支援プラザが運営していて、相談は何度でも無料です。
- 相談電話:077-511-1425(平日 9:00〜17:45)
- 滋賀県よろず支援拠点
契約の是非そのものより、「この契約を続けるか、切って作り直すか」という経営判断を相談する場所として使えます。
商工会議所・商工会
会員であれば、経営相談の窓口があります。滋賀県内では、持続化補助金の様式4を発行する窓口でもあります。地元の事情を知っている相手に話せるのが利点です。
まとめ
4つの質問を紙に書いて、電話機のそばに置いてください。順位の保証、オーナー権限の名義、最低契約期間、解約時のドメインとデータ。
正直に言えば、かかってきた電話でこれを聞くのは気まずい。相手は売り込みに来ているので、質問すると話が長くなります。それでも、紙を見ながら4つ聞いて切る方が、契約したあとに条項を読み直すより早い。
この4つに即答できる会社なら、話を聞く価値があります。できない会社は、契約書を読む前に切って構いません。
